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電気工事士の圧着工具(リングスリーブ用)の選び方と正しい圧着方法

電気工事士の圧着工具(リングスリーブ用)の選び方と正しい圧着方法

リングスリーブ圧着に使う工具は、JIS規格適合品・ダイスサイズの一致・グリップ形状の3点で選ぶ。この3点を外すと試験でも現場でも失敗する。

圧着工具(リングスリーブ用)とは何か

圧着工具は、銅線をリングスリーブに通し、強制的に変形させて接続する工具だ。はんだ付け不要で、短時間に確実な接続ができる。

電気工事士の技能試験でも使用必須の工具であり、電気技術者試験センター(公式)が公表する試験材料にもリングスリーブが毎年含まれている。

リングスリーブとの関係を理解する

リングスリーブには「小・中・大」の3種類がある。それぞれ対応する電線の本数と断面積が異なる。圧着工具のダイスも「○・小・中・大」に分かれており、スリーブのサイズと完全に一致させる必要がある。

スリーブサイズ 使用電線の例 圧着マーク
1.6mm×2本 / 2.0mm×2本 ○または小
1.6mm×4本 / 2.0mm×3本
2.0mm×4本以上

ダイスと圧着マークが一致していないと、試験では欠陥判定で即不合格になる。現場でも接触不良や発熱の原因になる。

圧着工具の選び方|3つのポイント

① JIS規格適合品かどうか確認する

JIS C 9711適合品でないと、技能試験では使用不可だ。購入前に必ずパッケージや本体に「JIS」の表記があるか確認する。

安価な海外製品の中にはJIS非適合のものがある。価格差は500〜1,000円程度。試験のために用意するなら、JIS適合品一択と考えてほしい。

② ダイスの種類を確認する

圧着工具には「○・小・中」の3ダイスタイプと、「小・中・大」を含む4ダイスタイプがある。

技能試験向けであれば「○・小・中」の3ダイスで十分だ。現場の電気工事士として幅広く使うなら、4ダイス以上のモデルを選ぶとよい。

③ グリップと重量を確認する

一般的な圧着工具の重量は450〜600g程度だ。長時間作業では手への負担が大きく変わる。

グリップにゴム素材を使用したタイプは滑りにくく、圧着時の力が伝わりやすい。試験では時間制限があるため、グリップが安定しているほど作業が速くなる。

現場プロが選ぶおすすめ圧着工具3選

ホーザン P-737(定番中の定番)

価格:約3,500〜4,500円(Amazonでの実勢価格)。ダイス:○・小・中の3種類。重量:約430g。JIS C 9711適合。

技能試験受験者の約70%が使用するといわれる定番モデルだ。ラチェット機構付きで、一定以上の力がかかるまでハンドルが戻らない。圧着不足による欠陥を防ぐ仕組みになっている。

18年の経験から言うと、初めて圧着工具を買うならP-737が最も無難な選択だ。実際に私が現場に出始めた頃から使っており、10年以上壊れなかった実績がある。

マーベル MH-17S(現場向けの実用モデル)

価格:約2,800〜3,500円。ダイス:○・小・中。重量:約450g。JIS C 9711適合。

ホーザンと並んで現場でよく見かけるモデルだ。グリップの形状が手に馴染みやすく、連続作業時の疲労感がやや少ない。コスパ重視で選ぶなら候補に入れてほしい。

Amazonで買える電気工事士工具のおすすめ10選|コスパ重視で選ぶでも実際の購入先と価格を比較しているので参考にしてほしい。

ロブスター(エビ印)AK17MA2(プロ用の高耐久モデル)

価格:約4,500〜6,000円。ダイス:○・小・中・大の4種類。重量:約500g。JIS C 9711適合。

現場の電気工事士が長く使い続けるために設計されたモデルだ。大サイズダイスが付いているため、太い電線の接続にも対応できる。年間200件以上の現場を担当する場合は、耐久性の高いこのクラスを選ぶほうが長期的にコストが低い。

正しい圧着方法|5ステップで解説

ステップ1:電線の被覆を正しく剥く

被覆を剥く長さはリングスリーブの長さ+5mm程度が目安だ。短すぎると圧着が不十分になる。長すぎると絶縁部分が露出しすぎる。

被覆剥きには専用のストリッパーを使うと作業が正確で速い。電気工事士のワイヤーストリッパーの使い方と選び方|ホーザンP-958を解説で詳しく解説しているので、合わせて確認してほしい。

ステップ2:電線をリングスリーブに通す

電線の先端をリングスリーブに差し込む。複数本の場合はすべての電線がスリーブの奥まで到達しているか確認する。途中で止まっていると圧着後に外れるリスクがある。

電線の束をそろえてからスリーブに差し込むと作業しやすい。指先で電線の端をそろえる習慣をつけてほしい。

ステップ3:正しいダイスを選択する

スリーブサイズに合ったダイスを選ぶ。ここを間違えると圧着マークが変わり、試験では欠陥扱いになる。現場でも後から接触不良が発生する原因になる。

慣れない間はダイスに刻印されているサイズ表記を声に出して確認する習慣をつけると確実だ。

ステップ4:圧着する

スリーブを圧着工具のダイスに合わせ、ハンドルを最後まで握り込む。ラチェット機構があるモデルは、ハンドルが完全に戻るまで圧着が完了しない。途中でやめると圧着不足になる。

握り込む力は両手で約15〜20kgf程度が必要だ。力が足りない場合は手全体で握るように意識する。

ステップ5:圧着マークを目視確認する

圧着後はスリーブ表面に刻印されたマークを確認する。マークが鮮明に入っていれば圧着成功だ。浅い・かすれている場合は圧着不足の可能性がある。

技能試験では圧着マークが確認できない場合も欠陥になる。明るい場所で確認するか、確認できない場合はやり直すべきだ。

現場で起こりがちな失敗と対策

失敗① ダイスサイズを間違える

最も多い失敗だ。スリーブが「小」なのに「○」ダイスで圧着すると、圧着マークが「○」になる。試験では即欠陥になる。

対策:スリーブをダイスにセットする前に必ずサイズを声に出して確認する。現場では貼り紙やメモで対応する職人も多い。

失敗② ラチェットを途中で止める

力不足や焦りで、ハンドルを最後まで握り込まないケースがある。ラチェット機構付きの工具でも、強引に途中で戻すと圧着不足になる。

対策:圧着時は必ず最後まで握り込む。試験前に自宅で10回以上練習しておくと、力の入れ方が体に染み込む。

失敗③ 電線の先端がそろっていない

複数本の電線をまとめてスリーブに差し込む際、1本だけ短いと圧着後に外れる。試験では欠陥、現場では事故につながる。

対策:差し込む前に電線の先端を指でそろえ、スリーブを透かして確認する。透明スリーブを使う練習材料も市販されている。

技能試験での圧着工具の使い方ポイント

技能試験は作業時間が40分と決まっている。圧着作業に時間をかけすぎると他の作業が間に合わない。

実際に私が現場で新人に指導するときは、「スリーブのセット→ダイス確認→圧着→マーク確認」の4ステップを10秒以内でこなせるようになるまで練習させる。試験前の練習は最低30〜50回が必要だ。

また、圧着工具は試験当日に初めて使うものではなく、事前に使い慣れておくことが絶対条件だ。工具の個体差で握り込みに必要な力が若干異なるため、本番で使う工具で練習してほしい。

試験で使う安全対策についても重要だ。電気工事士の絶縁手袋の規格と選び方|AC1000V対応の正しい使い方も合わせて確認しておくと安心だ。

圧着工具のメンテナンスと寿命

定期的に注油する

圧着工具の可動部分には定期的な注油が必要だ。CRC 5-56などの潤滑油を月1回程度注油すれば動きが軽くなり、長寿命になる。

注油後は余分な油をふき取る。油が残ったまま使うと電線やスリーブに付着し、接触不良の原因になる。

ラチェット機構の異常に気づく

ラチェットが途中で滑る・スムーズに動かないと感じたら、工具の交換時期だ。圧着不良が起きやすくなる。

適切にメンテナンスすれば、ホーザンP-737のような定番品は10年以上使える。18年の経験から言うと、1本の工具に使った総コストは最初の購入費4,000円程度だった。工具にかける投資は惜しまないことを勧める。

よくある質問(FAQ)

Q. 技能試験に持ち込める圧着工具に規定はありますか?

A. JIS C 9711に適合したリングスリーブ用圧着工具であれば持ち込みが認められています。メーカー・モデルの指定はありませんが、JIS非適合品は使用不可です。購入前に必ずJIS適合の表記を確認してください。

Q. 圧着工具とリングスリーブのダイスが合わなかった場合、やり直しできますか?

A. 一度圧着したリングスリーブは再使用できません。圧着後に誤りに気づいた場合は、スリーブを切断して電線を再度剥き直し、新しいスリーブで圧着し直す必要があります。試験では予備のスリーブが配布されますが、時間を大きくロスするため、事前確認が最重要です。

Q. 圧着工具は技能試験用と現場用で分けて買う必要がありますか?

A. 分ける必要はありません。JIS適合の圧着工具は試験でも現場でもそのまま使えます。ただし、現場で大サイズのスリーブを使う機会が多い場合は、大ダイスが付いた4ダイスモデルを試験後に追加購入するか、最初から4ダイスモデルを選ぶとよいでしょう。

Q. 圧着工具はどこで購入するのが安いですか?

A. AmazonやMonotaROでの購入が最もコストを抑えやすいです。ホーザンP-737の場合、定価は約5,000円ですが、Amazonでは3,500〜4,500円程度で購入できるケースがあります。ホームセンターでは在庫がない場合もあるため、試験直前に慌てないよう1〜2ヶ月前に購入しておくことを勧めます。

Q. 圧着工具のラチェット機構がないモデルは試験で使えますか?

A. JIS C 9711に適合していればラチェット機構がないモデルでも試験での使用は可能です。ただし、ラチェット機構がないと圧着不足が起きやすくなるリスクがあります。初心者や試験受験者には、ラチェット機構付きのモデルを強く推奨します。

✍️ 著者プロフィール

電気工事士歴18年。大阪を中心に年間200件以上の電気工事を担当。第一種電気工事士・認定電気工事従事者の資格保有。現場で得た実体験をもとに、電気工事に関する情報を発信しています。

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